<水産缶詰特集>窮地に立たされた水産缶詰業界 あらゆる工夫で進化が加速

2024年7月4日

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売場に並ぶ多種多様な水産缶詰

 水産缶詰業界を取り巻く環境は原料調達難と製造コストの大幅な上昇によって、窮地に立たされている。消費を牽(けん)引してきた低価格帯の製品ではセールスポイントだった値頃感を失い、高価格帯でも品質の維持が困難な事態に陥った。そんな中、各メーカーは苦境を乗り越えるべく原料構成の見直しや新たな提案方法、時流に沿った商品開発といったあらゆる工夫を凝らし、缶詰の進化は加速している。今回の特集では日本を代表する企業のいち押し商品に加えて、生産・消費動向などを紹介していく。

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 昨年は2022年に起こった国産サバの異例の不漁から休売まで発展した「サバ缶ショック」が業界を騒がせた。供給は次第に回復したものの、結局23年も水揚げは振るわず、現在でも一部ブランドサバを使った製品では極端な品薄状態のままで影響は尾を引いている。[....]