<やまぐち丸竣工特集>下関漁業、沖底6か統で安定供給へ

2024年6月25日

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竣工した第7やまぐち丸

★大山雅紀社長インタビュー 

 山口・下関市の(株)下関漁業(大山雅紀社長)が国の漁船リース事業(水産業競争力強化漁船導入緊急支援事業)を活用して、(株)ふくおか渡辺造船所で建造していた2そうびき沖合底びき網漁船(以東沖合底びき網漁船)の第7、第8やまぐち丸(いずれも94トン)が14日に竣工した。下関漁港の水揚げの主力を担っている沖底船が6か統になったことで、より安定して漁獲物を供給できる体制が整う。

 第7、第8やまぐち丸は既存船の代船ではなく、同社にとって3か統目の新船だ。船価高騰が著しいうえ、2そうびきの以東沖合底びき網漁業は、2隻を同じタイミングで建造しなくてはならない。新たな船団の誕生に込めた思いを、大山雅紀社長に聞いた。

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 --下関漁業にとって3か統目の沖底船となります。

 大山社長 弊社は2000年代に入り、下関の以東沖合底びき網漁船の勢力が減少の一途をたどる中、山口県以東底曳網漁業協同組合(以東底曳組合)と下関中央魚市場(株)に、マルハニチロ(株)の100%子会社である大洋エーアンドエフ(株)を加えた3者の出資で08年に設立された。当初から3か統体制を目指しており、設立時に以東底曳組合から譲り受けた第1、第2やまぐち丸に続き、12年に国のもうかる漁業創設支援事業を活用して第3、第5やまぐち丸を建造。3か統目を造る準備をしていた。[....]