豊洲・横浜卸3月期決算/業務筋回復し営業利益伸長

2024年5月28日

 上場企業の東京・豊洲市場の総合卸3社(第一水産(株)は非上場で参考値)と、横浜市場本場の総合卸2社の2024年3月期決算がまとまった。新型コロナウイルス禍が去ったことで、高単価品中心で利益が取りやすい飲食店などの業務筋販売が回復して粗利が増加し、営業利益は中央魚類(株)、横浜丸魚(株)、横浜魚類(株)の3社(第一水産含めると4社)で大きく伸びた。値下がり商材が複数出たことで生じた冷凍商材における在庫損のリスクは、数量を多く売ったことで補うことができた卸も多く、全体では好決算といえる期となった。

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 豊洲卸3社は非上場の第一水産含め、揃って増収となった。鮮魚・特種は依然として産地の水揚げが不安定で集荷に苦戦したものの、魚価高が売上高を押し上げた。冷凍魚は、赤身マグロや地中海本マグロ、カニ、サケ・マス、魚卵などで、値下がりが生じた商材を数量を集めて売ることで穴埋めした。値上げが浸透する加工品は、数量は落としたが、売り上げは維持か微減にとどめた。[....]