[1151]第56回東南アジア漁業開発センター (SEAFDEC)理事会の結果について

2024年6月14日

さらなるIUU漁業対策を提案

CITESはメンバー国で協力意向

 東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)は東南アジア地域の持続的な水産業発展のための漁業開発の促進を行うことを目的として1967年に設立された国際機関であり、日本およびASEAN加盟国の計11か国で構成されています。今年の理事会は、5月6~9日に、フィリピンのタガイタイで開催され、日本からは福田水産庁資源管理部審議官が代表として参加しました。結果の主な内容は以下の通りです。

○IUU漁業対策

 ・IUU漁業対策(地域漁船登録、寄港国措置協定、ASEAN電子漁獲証明制度など)に関して、2023年のSEAFDECのイニシアチブによるASEAN地域のIUU漁業対策の活動進捗の報告が行われた。

 ・メンバー国からは、支持が表明されるとともにSEAFDECに対し、今後の寄港国措置(PSM)やFAOの転載ガイドラインの国内実施に対する支援などのさらなるIUU漁業対策についての要請や提案があった。

○ワシントン条約(CITES)

 ・23年のCITES関連会議に係る最新情報、進行中のSEAFDECの取り組み、CITES問題に関連する主要な懸念と勧告に関して報告が行われた。

 ・わが国からは、第19回CITES締約国会議(CoP19)におけるSEAFDECおよびそのメンバー国の協力に感謝を述べるとともに、類似規程(look―alike provision)を用いた科学的根拠に基づかない附属書掲載に対して懸念を指摘し、今後も動向を注視しつつ科学的根拠に基づく持続的利用に向けてSEAFDECメンバー国と協力したい意向を表明した。

 ・他のメンバー国からは、進行中のSEAFDECの取り組みを継続することの重要性、地域のNFD(種の存続を脅かさないという科学当局の助言)の開発や重要種の監視の能力強化への支援の必要性について発言があった。

○SEAFDEC訓練調査船

 ・わが国が供与した2隻の訓練調査船の23年の運航実績について報告、24年の運航計画の承認が行われた。

 ・わが国からは訓練調査船の最大限の利用を要請した。

 ・他のメンバー国からは、訓練調査船の意義と重要性、調整中の調査計画について発言があった。

○その他

 ・ASEAN地域における漁業の持続的な発展と管理への貢献として日本拠出金に対する謝辞が述べられた。

 ・来年の理事会は、シンガポールが主催することとなった。(水産庁国際課)