東大公開セミナーで講演 「鮮度表示」で魚離れ解消

2024年6月11日

 東京大学農学部の公開セミナーが8日、東京・文京区の東京大学弥生講堂・一条ホールで開かれた。同大学院農学生命科学研究科の阪井裕太郎准教授が講演し、魚離れの緩和・解消は消費者への「鮮度」の情報提供がカギになると指摘した。さまざまな実験結果を踏まえ、「買い手側に品質の不確実性を押し付けなければ、いずれ需要は回復する」との考えを示した。

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 「魚の鮮度の価値と可能性に迫る」をテーマに講演した阪井准教授は、消費者の「魚離れ」の一因に「情報の非対称性」の悪化があると仮定。情報の非対称性とは、売り手が買い手より多くの情報をもっている状態を指し、放置すれば市場は縮小し、最悪なくなってしまうという経済理論だ。[....]