宮城養ギンが想定超す減産確実、過去四半世紀で最大のマイナス幅に

2024年7月3日

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産地魚市場への水揚げは来週いっぱいで終わる見込み

 宮城県の養殖ギンザケが想定を超える大幅な減産に終わりそうだ。当初見込みは前年比2割減の1万4550トンだったが、生産者の過半が水揚げを終えた先月末時点で累計数量はまだ1万1200トン。産地筋によると上積みは多くても2000トン程度で、落ち込みは3割近くにまで達することが確実になった。減産予想の背景にあった高水温による稚魚の斃(へい)死、育成開始の遅れが想定以上に響いたためで、実数では5000トンレベルのマイナスに。東日本大震災で実績ゼロだった2011年を除けば過去四半世紀で最大の減産となる。

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 今シーズンの生産には猛暑と高水温が大きな打撃を与えた。昨夏の記録的高温は山間部の渓流沿いにある中間育成場にも影響を及ぼし、地域問わず渇水と昇温が起こり、稚魚にかなりの死滅被害が発生。一部では突然の豪雨に伴う土砂流入で死滅したケースもあった。[....]