大分・海洋科学高校、厄介な「ブダイ」缶詰に

2024年5月23日

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今年度もブダイの活用に向けた加工実習を開始した

 大分県立海洋科学高校(大分・臼杵市)海洋科食品コースの3年生は20日、今年度初となるブダイの加工実習を行った。原魚は同校に隣接する津久見市の、JFおおいた津久見支店が提供した。磯焼け対策と新たな食文化の創出に向け開発したブダイ缶詰は、海の課題を解決する全国大会で優秀賞を受賞、2023年から津久見市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。

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 海藻を食べる植食生物のブダイは、身の臭みだけでなく皮にぬめりがあり捌きにくい。だが同校では水揚げ直後に冷凍することで、この難題を解決した。内臓の臭みが身に移るのを防ぎ、ぬめりが出る前の半解凍状態で一次加工してしまう。

 この処理工程はある日突然、完成したわけではない。地域で課題を抱える未利用魚を、高校生がオリジナル缶詰にする全国大会「LOCAL FISH CANグランプリ」が21年に始まると、同校は1年目からブダイをテーマに参戦し、昨年大会まで3年連続の決勝進出を果たしている。毎年新たなブダイ缶詰を開発する中で、避けて通れない臭いとぬめりの解決策を進化させてきた。[....]