[1150]北太平洋漁業委員会(NPFC) 第8回年次会合の結果について

2024年6月4日

サンマ公海TAC13.5万㌧に

マサバ漁獲量は10万㌧

 4月15日から18日まで、北太平洋漁業委員会(NPFC)第8回年次会合が大阪市において開催されました(ウェブ会議を併催)。NPFCは、北太平洋公海における漁業資源の長期的な保存および持続可能な利用の確保などを目的とする地域漁業管理機関で、サンマ、サバ類、クサカリツボダイなどを管理の対象としています(マグロ類、サケ・マスなど他の条約の対象資源は対象外)。

 今回の会合には、NPFCに加盟している全ての国・地域(日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、台湾、米国、バヌアツおよび欧州連合<EU>)が参加しました。本会合で合意された主な措置は以下の通りです。

(1)サンマの保存管理措置

 資源水準に応じて総漁獲可能量(TAC)を算出する漁獲管理規則が合意されました。同規則では、直近の資源水準からTACが算出されるものの、毎年のTACの変動の幅は対前年比10%までとされています。

 この漁獲管理規則により、2024年の公海におけるTACは昨年の年次会合で合意した15万トンから13.5万トンに削減(分布域全体の年間漁獲量は、同25万トンから22.5万トン以内に抑制)されることとなりました。

(2)マサバの保存管理措置

 これまでは隻数制限のみ課されていましたが、本会合では公海におけるマサバの漁獲量を10万トン(うちまき網8万トン、トロール2万トン)に制限する措置に合意されました。また、同漁獲上限の範囲で、今まで条約水域における操業実績のないEUの漁船についても操業が認められることとなりました。

(3)底魚類の保存管理措置(キンメダイなど)

 天皇海山海域での底魚漁業について、脆(ぜい)弱な海洋生態系を保護するため、禁漁期間の拡大など、措置が強化されました。なお、天皇海山の一部海域における底引き網漁業の禁止などについても議論がなされ、今後継続して審議していくこととなりました。

 (水産庁国際課)